2026 年 79 巻 8 号 p. e158-e161
2023年8月~2024年8月に所管と畜場に搬入された馬の盲腸便と牛の直腸便を採取し,増菌培養後,志賀毒素産生性大腸菌(STEC)の遺伝子検索を行い,陽性検体から菌分離を試みた.その結果,馬では141頭中1頭(0.7%)から非主要血清群STEC,牛では226頭中24頭(10.6%)から同菌(Og157:Hg7 1頭,Og26 1頭,非主要血清群 22頭)を分離した.また,牛のSTEC保菌率に時季による有意差はなかった.馬のSTEC保菌率は牛のそれに比べて有意に低く,と畜解体処理時における馬消化管内容物由来STECによる馬枝肉汚染リスクは低いことが示唆された.一方,牛では時季を問わずSTECを一定程度保菌している可能性が示されたことから,と畜場は二次汚染対策を含めた衛生管理の徹底を常に図っていく必要がある.