2021年以降,わが国では牛結核の清浄性維持を目的としてサーベイランスが継続されている.近年,ツベルクリン検査及びIFN-γアッセイにより疑似患畜と判定された牛から,Mycobacterium bovis 以外の非結核性抗酸菌(NTM)が分離され,検査特異性への影響が懸念されている.本研究では,国内の疑似患畜3例から分離されたNTM5株について遺伝子解析を行い,そのうち3株は環境に生息するM. terrae complexに近縁な同一菌種であると判定された.これらのNTM死菌で感作したモルモット及び牛では,検査用抗原に対する非特異反応が確認されたことから,環境中のNTMへの暴露が検査結果に影響する可能性が示唆された.一方,結核菌特異的なペプチドカクテルPC-ECを用いたIFN-γアッセイでは非特異反応は認められなかった.以上より,本ペプチドカクテルを現行抗原であるM. bovis 由来の精製タンパク質B-PPDと併用することで,牛結核検査の精度向上が期待される.