日本獣医師会雑誌
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プロスタグランディンFanalogueの応用による豚の分娩誘発に関する研究
神崎 忠勇大竹 修鹿島 拓雄津村 巌
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1981 年 34 巻 4 号 p. 162-165

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抄録

岡山県奈義町農協および西大寺農協種豚場に繋養中の繁殖雌豚114頭を用いて, Prostaglandin F2α analogueの注射による分娩誘起の効果を検討した. 試験豚は交配日を0とする妊娠U4日目の94頭で, 0.05mgを耳根部筋肉内に注射し分娩の誘発状況ならびに副作用などの有無を調査した. 対照群として溶解液のみ2m1を注射した自然分娩例20頭を用いた. 試験豚の平均分娩開始時間は妊娠115日の午後0時20分であったのに対し, 対照群の豚は妊娠116日の午前2時45分であった.分娩発来までの所要時間は平均2577時間で対照群の平均38.67時間と比較して有意 (P>0.05) に短縮された. 作業時間内分娩率は41.5%で, 対照群は30%であった, 平均産子数は10.6頭であり対照群との間に有意差はみられなかった. 試験豚の平均分娩所要時間は4.18時間, 対照群では4.39時間であった.胎盤排出所要時間, 子豚の異常率には有異差は認められなかった.

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