日本獣医師会雑誌
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各地の種鶏群におけるMycoplasma gallisepticumおよびM. synoviaeの汚染実態と分離株の薬剤感受性
原田 良昭内田 幸治平元 清和
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1984 年 37 巻 2 号 p. 93-99

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抄録

1978年から1982年の5年間に餌付した各地の採卵種鶏60群 (16道府県20農場), ブロイラー種鶏97群 (21県43農場) のMGおよびMSに対する血清抗体を調査した. 検査は急速凝集反応 (RST) で実施し, RST陽性検体は血球凝集抑制反応で確認し陽性群を判断した. また一部の陽生鶏からMycop1asmaを分離し, それらに対する各種薬剤 (使用薬剤TC, OTC, DOTC, EM, OM, SP, TS, CP, SPE, DSM, KM, NM, CL, PZの14種) の最小発育阻止濃度を寒天平板希釈法で測定した.
1) 血清抗体調査結果: MGおよびMSは全国の種鶏群に蔓延し, 20~30週齢前後に陽転が多く認められた. また60週齢時の陽性率をみると, 採卵種鶏ではMG55%, MS73.3%, ブロイラー種鶏はMG67%, MS74.2%であった. 両種ともMGよりMSの感染群が多かった.
2) 薬剤感受性試験の結果: 両菌種ともTC系薬剤には高い感受性を示した. とくにMGはマクロライド系 (EM, OM, SP, TS) 薬剤に対し2峰性の感受性パターンを示し, 35株中9株 (25.7%) に耐性が認められた. しかし, MSではTSを除くマクロライド系薬剤に感受性が低かった.

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