日本獣医師会雑誌
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強毒トリレオウイルス58-132株の免疫学的研究
高瀬 公三西川 比呂志松尾 和夫山元 通孝
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1989 年 42 巻 2 号 p. 108-111

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抄録

脚弱鶏の足関節から分離された高病原性のARウイルス, 58-132株の免疫学的性状を検討した. 58-132株に対する中和抗体を野外の128鶏群の血清で検査したところ, 約64%の鶏群が100倍以上の, また32%の鶏群が500倍以上の中和抗体を保有しており, 血清学的に58-132株に近縁なARウイルスが広く鶏群内に浸潤しているものと考えられた.
いっぽう, 抗58-132株血清は中和試験で, 同じ血清型に分類された病原性の10株とよく交差した. また, 攻撃試験においても, 58-132株で免疫された鶏は他の病原性株による足蹠内攻撃をよく防御した. これらのことから, 58-132株および供試された病原性株がたがいに血清学的に近縁であることが確認された.
上述のことから, 58-132株のワクチン株としての有用性が示唆された.

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