1989 年 42 巻 2 号 p. 112-115
茨城県内の屠畜場に搬入された豚から黄色ブドウ球菌の分離を試みた.
分離された黄色ブドウ球菌について生物学的性状, コアグラーゼ型別, エンテロトキシソ産生性および薬剤感受性試験を行った.
その結果, 63株の生物学的性状は, HÁJRKとMARSÁLEKの生物型Bと類似していた. 分離された30株中20株 (66.7%) はII, III, VIあるいはVIIのコアグラーゼ型で, そのうち4株 (13.3%) はエンテロトキシン産生株であった. 加えて, ストレプトマイシンに5株 (16.7%), エリスロマイシンに7株 (23.3%) 耐性であった.
これらのことから, ブタ由来黄色ブドウ球菌はブドウ球菌食中毒の原因となる可能性が示唆された.