日本獣医師会雑誌
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犬の特発性血小板減少性紫斑病における血小板凝集能
亘 敏広辻本 元小野 憲一郎長谷川 篤彦
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1998 年 51 巻 6 号 p. 309-312

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抄録
治療により血小板数が200×103/μl以上に維持されている特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) 犬5例について臨床症状, 止血スクリーニング検査およびアデノシン二リン酸 (ADP) に対する血小板凝集能を検討した. 全例とも止血スクリーニング検査では異常は認められなかったが, 5例中3例で採血後の皮下出血, 止血遅延などがみられ, 4例においてはADPに対する血小板凝集能の明らかな低下が認められた. 以上から, ITP患犬の止血異常持続例は, 血小板凝集能低下によることが示唆された.
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