日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
兎出血病の肝臓病変におけるアポトーシス
伊藤 謙一川嶋 和晴櫻井 美雪高見澤 茂溝口 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 53 巻 3 号 p. 140-143

詳細
抄録
兎出血病 (rabbit hemorrhagic disease;RHD) の肝臓病変の形成におけるアポトーシスの関与を調べるため, 野外発生例の検索および感染実験を行った. 実験感染例ではRHDウイルス (RHDV) を接種した成兎5羽は接種後26.5~35時間で全例が死亡あるいは瀕死で切迫殺された. 組織学的には, 野外例, 実験例ともに肝臓で小葉の中間帯から辺縁帯に主座する壊死性肝炎, 腎臓および肺でフィブリン血栓が観察された. 肝臓の壊死領域では, 壊死肝細胞に混在してacidophilic bodyや肝細胞核のクロマチンの凝縮と偏在化, および核崩壊像が認められた. 実験例では, TUNEL法でおもに辺縁帯の肝細胞で陽性反応が認められた. 電顕観察では, 均質で塊状のクロマチンが核膜に付着し, 細胞表面の微絨毛が消失した肝細胞が観察された. 以上から, RHDの肝病変にはアポトーシスも関与していることが示された.
著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top