抄録
蹄病牛における血中ビオチン濃度を明らかにする目的で, 蹄底潰瘍, 蹄球びらんおよび趾問フレグモーネの乳牛において血清中のビオチン濃度とビオチニダーゼ活性を検討した. その結果, 血清総ビオチン濃度は正常牛に比較して各蹄病牛で低値を示し, 特に蹄底潰瘍牛と蹄球びらん牛では有意な低値を示した (それぞれP<0.05, P<0.01).しかし, 血清遊離ビオチン濃度は各蹄病牛と正常牛との問で差異がみられなかった. 血清ビオチニダーゼ活性は各蹄病牛と正常牛との間で差異がみられなかったが, ビオチニダーゼ活性と総および遊離ビオチン濃度との間に正の相関が認められた. これらのことから, 蹄底潰瘍牛と蹄球びらん牛では, 正常牛に比べ給与飼料からのビオチン摂取やルーメン内におけるビオチン産生は低下していることが示唆された.