日本獣医師会雑誌
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53 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 小久保 彌太郎, 茶薗 明
    2000 年 53 巻 3 号 p. 121-129
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 松井 義貴, 平井 綱雄, 尾上 貞雄, 草刈 直仁, 川本 哲, 小原 潤子, 森 清一
    2000 年 53 巻 3 号 p. 131-135
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    分娩後のアンガスおよびヘレフォード母牛とその哺乳子牛12組を, 品種および年齢が一致するように6組ずつ給与群と対照群の2群に分けた. 給与群の母牛にはセレン (Se) 酵母を添加した配合飼料 (Se: 0.525mg/体重100kg/日) を11週間給与し, 対照群にはSe酵母飼料を給与せずに11週間飼養した. 両群の子牛について血清Se濃度, 末梢血好中球機能, リンパ球幼若化能を調べた. 給与群の子牛では対照群に比べて血清Se濃度は3週間後から有意に高値を示し, 全血および分離顆粒球の化学発光反応のピーク時間が5週間後に有意に短縮し, コンカナバリンA刺激によるリンパ球幼若化能も5週間後に有意に増加した. この結果, 母牛へのSe酵母の給与は乳汁を介したSeの移行により, 子牛の好中球およびリンパ球の機能を増強させることが示唆された.
  • 佐藤 繁, 一條 俊浩, 鈴木 利行, 小野 秀弥
    2000 年 53 巻 3 号 p. 136-139
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    蹄病牛における血中ビオチン濃度を明らかにする目的で, 蹄底潰瘍, 蹄球びらんおよび趾問フレグモーネの乳牛において血清中のビオチン濃度とビオチニダーゼ活性を検討した. その結果, 血清総ビオチン濃度は正常牛に比較して各蹄病牛で低値を示し, 特に蹄底潰瘍牛と蹄球びらん牛では有意な低値を示した (それぞれP<0.05, P<0.01).しかし, 血清遊離ビオチン濃度は各蹄病牛と正常牛との問で差異がみられなかった. 血清ビオチニダーゼ活性は各蹄病牛と正常牛との間で差異がみられなかったが, ビオチニダーゼ活性と総および遊離ビオチン濃度との間に正の相関が認められた. これらのことから, 蹄底潰瘍牛と蹄球びらん牛では, 正常牛に比べ給与飼料からのビオチン摂取やルーメン内におけるビオチン産生は低下していることが示唆された.
  • 伊藤 謙一, 川嶋 和晴, 櫻井 美雪, 高見澤 茂, 溝口 徹
    2000 年 53 巻 3 号 p. 140-143
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    兎出血病 (rabbit hemorrhagic disease;RHD) の肝臓病変の形成におけるアポトーシスの関与を調べるため, 野外発生例の検索および感染実験を行った. 実験感染例ではRHDウイルス (RHDV) を接種した成兎5羽は接種後26.5~35時間で全例が死亡あるいは瀕死で切迫殺された. 組織学的には, 野外例, 実験例ともに肝臓で小葉の中間帯から辺縁帯に主座する壊死性肝炎, 腎臓および肺でフィブリン血栓が観察された. 肝臓の壊死領域では, 壊死肝細胞に混在してacidophilic bodyや肝細胞核のクロマチンの凝縮と偏在化, および核崩壊像が認められた. 実験例では, TUNEL法でおもに辺縁帯の肝細胞で陽性反応が認められた. 電顕観察では, 均質で塊状のクロマチンが核膜に付着し, 細胞表面の微絨毛が消失した肝細胞が観察された. 以上から, RHDの肝病変にはアポトーシスも関与していることが示された.
  • 坪川 正, 本多 秀次
    2000 年 53 巻 3 号 p. 144-147
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1997年6月から富山県東部家畜保健衛生所管内の一養豚場で離乳後に皮膚の蒼白, 元気消失, 一部で泥状便などの症状を伴い, 発育不良になる子豚が散見され始めた. 発症豚のリンパ節は腫脹し, 組織学的にリンパ球の減少と網内系細胞に好塩基性細胞質封入体が認められた. 同封入体の電子顕微鏡検索でサーコウイルス様粒子が検出された. 臨床および病理学的所見はpostweaning multisystemic wasting syndrome (PMWS) と類似していた. リンパ節乳剤から得られたPCR産物の塩基配列は, PMWSの原因因子と疑われているサーコウイルス (pmws-PCV) のそれと96.9%以上の高い相同性を示した. このことから, 子豚の疾病にpmws-PCVの関与が認められた.
  • 菱山 信也, 廣間 純四郎, 比嘉 一成, 藤瀬 浩
    2000 年 53 巻 3 号 p. 149-153
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    タマネギ中毒が推察された高カリウム高グルタチオン (HK/HG) 赤血球犬の溶並1性貧血症例と実験的にタマネギを投与したHK/HG赤血球犬について, 貧血発症時の酸-塩基平衡障害, 電解質などの経過を追跡した. 臨床例は, 来院日 (発症後1日) にPCVは15.9%, Hbは5.0g/dlであり, 重度の貧血を呈していた. 発症後1日の血液HCO3-濃度とPCO2が低く, 代謝性アシドーシスが呼吸により代償されていた. 発症後2日にはHCO3-濃度はさらに減少し, 酸血症 (pH 7.25) を示したが, 3日にはHCO3-濃度は増加しはじめpHは7.38に回復した. 貧血は再生性であり, 発症後12日には治癒した. タマネギ投与実験例でも同様の経過が観察され, 臨床例はタマネギ中毒であったと考えられた. 臨床および実験例ともに, HK/HG赤血球溶血で危惧された高K血症は認められなかった.
  • 茅沼 秀樹, 菅沼 常徳, 渡辺 俊文, 野村 靖夫, 宇根 有美, 信田 卓男, 岡田 素教
    2000 年 53 巻 3 号 p. 154-156
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    進行性の後躯麻痺を主訴として来院した8カ月齢のゴールデン・レトリーバー種に対し, 脊髄造影検査を行ったところ, 第1腰椎部に硬膜内髄外腫瘤が確認された. 治療として椎弓切除術ならびに硬膜切開による腫瘤の摘出を行った. 摘出腫瘤の病理組織学的検査において, 尿細管様構造と糸球体様構造が認められ, 腎芽腫の上皮型と診断された. また, 術後の回復は良好で, 現在13カ月を経過しているが, 再発や転移を示唆する臨床症状の発現は確認されていない.
  • 尾金 宰, 内田 有, 菊地 貴寿, 斉藤 聡, 大藤 進
    2000 年 53 巻 3 号 p. 159-162
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大動物処理工程の剥皮法で, 前肢・胸部の剥皮を放血→と体つり上げ→食道結紮後に行っていたのを改善し, ダウンプーラー (縦型剥皮器) による全剥皮の直前に行うようにし, 剥皮部分は最小限にとどめることとした. さらに, 食肉処理センター従業員を対象に開催している机上の衛生講習会に代え, 実際に解体作業を進めながら行うディスカッション形式の実地衛生講習会を行った. その結果, 枝肉総合評価の有意な向上とともに, 生菌数および大腸菌数の有意な減少が認められた.
  • 金川 弘司
    2000 年 53 巻 3 号 p. 169-170
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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