日本獣医師会雑誌
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同一母牛で繰り返しみられたネオスポラ早期流産の病理像
奥田 宏健大内 紀章福冨 豊子多田 幸四郎萱原 佳美
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キーワード: 流産, , ネオスポラ症, 続発
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2000 年 53 巻 6 号 p. 383-386

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抄録
6カ月間に同一母牛で繰り返し発生した早期流産の流産胎子 (胎齢113日および129日) を病理組織学的および免疫組織化学的に検索した. 胎子の脳組織にはグリア線維性酸性蛋白 (GFAP) 抗原陰性で, CD68抗原弱陽性のミクログリア細胞の浸潤する多発性壊死がみられ, 壊死病変にはNeoapora caninumNC-1株抗体陽性のネオスポラ原虫のタキゾイトが認められた. 壊死病変は肝臓, 腎臓および尿膜茎に存在し, 尿膜茎の壊死病変は早期流産の原因の一つと考えられた.
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