日本獣医師会雑誌
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ホルスタイン種核移植胚による産子の特徴および分娩状況
高橋 正弘植木 淳史川畑 享子後藤 太一
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2000 年 53 巻 6 号 p. 387-390

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抄録
ホルスタイン種胚細胞由来核移植により得られた単子分娩産子の特徴と分娩状況を, 人工授精および生体由来胚移植により得られた産子と比較検討した. 同一胚由来の核移植による産子には生時体重にばらつきが認められた. 核移植による産子の生時体重は, 人工授精および生体由来胚移植による産子と比較して有意に大きく (51.9±7.4vs.45.2±5.5および45.3±5.6kg, P<0.05), 在胎日数は人工授精による産子と比較して有意に長かった (283.4±5.4vs.280.8±5.8日, P<0.05). また, 核移植による産子の分娩難易度および難産率はいずれも対照群に比較して高く (30.0vs.12.7および13.6%, P<0.05), 尾位, 死産, 過大子および突球が多発した. 以上の成績から, 核移植による産子は過大子の発生率が高く, そのため難産および死産の発生率が増加し, さらに出生後の生存率が低下することが示唆された.
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