日本獣医師会雑誌
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経皮的門脈造影法によって診断された犬の門脈体循環短絡症の3例
茅沼 秀樹菅沼 常徳信田 卓男
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2000 年 53 巻 6 号 p. 393-395

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抄録
門脈体循環短絡症の確定診断は, 一般的に開腹下での空腸静脈性門脈造影法が用いられている. 今回, 門脈体循環短絡症の疑われた犬の3例に対し, 1例に経皮的空腸動脈性門脈造影法を, 2例に対しては逆行性後大静脈造影法を実施した. 経皮的空腸動脈性門脈造影法は, 大腿動脈より同軸親子カテーテル法を用いて空腸動脈末梢までカテーテルを誘導し, 1.0ml/kgのイオパミドールを注入して, 注入終了直後にX線撮影を行った. 一方, 逆行性後大静脈造影法は, 血管閉塞用バルーンカテーテルを後大静脈まで誘導し, 肝静脈尾側で血流を遮断した後, イオタラム酸ナトリウム1.25ml/kgを注入して, 注入終了直後にX線撮影を行った.その結果, 3例ともに良好な短絡血管の造影像が得られ, 門脈体循環短絡症の確定診断が可能であった.
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