抄録
健常犬のリンパ球数ならびにリンパ球幼若化反応におよぼす遺伝子組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)の影響を検討した.健常犬に2.5μg/kgの濃度でrhG−CSFを3日間皮下投与したところ,投与1日ならびに2日後の末梢血中リンパ球数は増加したが,3日目以降は処置前のレベルに復した.また,rhG−CSF投与によりPHA,Con A,PWMに対するリンパ球幼若化反応が処置前の2倍に増強した.以上の結果から,健常犬に投与されたrhG−CSFにはリンパ球機能を活性化する作用があると考えられた.