抄録
北海道内の4と畜場においてと殺された豚524頭のリンパ節ならびに飼料, 敷わら等飼育環境材料からの抗酸菌分離を試みた. 異常に高率に菌が分離された十勝清水と畜場豚(顎下リンパ節49%, 腸間膜リンパ節20%)を除くと, 他の3と畜場豚における平均分離率は, 顎下リンパ節5.8%(17/294), 肺門リンパ節4.09%(12/293), 腸間膜リンパ節1.34%(4/298)であった. 同一個体で2力所のリンパ節から同時に菌が検出されたもの3例, 同一リンパ節から2種類の抗酸菌が分離されたもの3例が認められた. 個体別の抗酸菌分離率は深川で7%(7/100), 釧路で7.8%(8/102), 帯広では最も高く13.9%(14/101)であった. 分離された抗酸菌株は, すべていわゆる非定型抗酸菌で, そのうちの76%(58/76)は Runyon's Group III に属し, うち M. avium-M. intracellulare complex がその大部分を占めていた. 今回2株の M. avium 1 が帯広ならびに十勝清水と畜場豚から検出されたことは北海道における新知見である. また汚水, 糞便, 敷わらおよび土壌等の環境材料202検体から, 17株の抗酸菌が検出された. このうち6株は, 人お上び家畜から通常検出されるのと同じ血清型(4型1株, 6型2株, 8型3株)を示す M. intracellulare であった. このことは今後における豚抗酸菌感染症の予防対策上注目さるべきものと思われる.