Erdheim-Chester病の1剖検例

鈴木 慎太郎; 松浦 崇行; 福田 充; 武井 雅俊; 久保 定徳; 吉本 多一郎

doi:10.2169/naika.100.3629

今月の症例

Erdheim-Chester病の1剖検例

鈴木慎太郎, 松浦崇行, 福田充, 武井雅俊, 久保定徳, 吉本多一郎

著者情報

キーワード: Erdheim-Chester病, 黄色肉芽腫性浸潤, 刺激伝導系, 組織球症

ジャーナルフリー

2011 年 100 巻 12 号 p. 3629-3633

DOI https://doi.org/10.2169/naika.100.3629

詳細

抄録

Erdheim-Chester病（ECD）は異常に増殖した組織球系細胞が多臓器に浸潤する稀な疾患である．症例は67歳，男性．初診時から既に多臓器の障害があった．副腎皮質ステロイドの漸減中に痰の喀出困難や不整脈を生じ死亡した．剖検所見では，CD68陽性の組織球やリンパ球の浸潤および線維性結合織の増生を心臓，肺，腎臓等に認めた．特に右房における心筋の破壊は著しく，ECD病変による刺激伝導系の傷害が生命予後に影響を及ぼしたものと考えた．

責任著者(Corresponding author)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）