抄録
エルシニア属菌の病原性解析の一環として, 培養細胞を用いて感染の第一段階である細胞吸着と病原性との関連性を検討した。エルシニア属菌の細胞吸着性はカルシウム依存性プラスミドの保有により増強された。また37℃で細胞吸着を行った場合, プラスミドを保有する37℃増殖菌の細胞吸着性は25℃増殖菌のそれに比べて著しく強かった。しかもこの吸着性は, Y. pseudotuberculosisの方がY. enterocoliticaよりも高いことからエルシニア属菌の毒力の指標になると判断された。同様の現象はホルマリン不活化菌でも認められ, エルシニア属の37℃培養プラスミド保有菌においてホルマリン耐性の吸着増強因子の産生が示唆された。