抄録
コイ腎臓の糸球体傍細胞はBowie, 過ヨウ素酸シッフーヘマトキシリン, トルイジン青 (pH12) 染色で弱陽性を示した。電顕的には大型明調核, よく発達したゴルジ装置, ときに槽の拡張した粗面小胞体, 平均直径約230nmの分泌顆粒ならびに収縮要素としての筋原繊維, 付着板が細胞質内に観察された。抗マウス下顎腺レニン血清を用いた免疫組織化学では多数の陽性細胞が主に輸入糸球体細動脈や小動脈の中膜域にみとめられ, ときに小動脈の中膜, 外膜境界領域に観察された。一細胞内におけるその免疫反応は内膜側においてよりも外膜側でより強かった。輸出細動脈壁ならびに血管間膜領域に陽性細胞はみとめられなかった。これらの結果から魚類においても哺乳類同様レニンを介する血圧調節機構が腎臓内に存在することが示唆された。