Journal of Veterinary Medical Science
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自然発生腫瘍細胞質分画中の20α-水酸化ステロイド脱水素酵素活性
塩田 邦郎佐々木 伸雄服部 中三浦 竜一長谷川 晃久金 星光能田 健高橋 迪雄
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1991 年 53 巻 4 号 p. 549-552

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抄録
20α-水酸化ステロイド脱水素酵素(20α-HSD)はプロジェステロンを生物学的に不活性な20α-ダイハイドロプロジェステロンに代謝する酵素で, ステロイド産生細胞中に存在することが知られていたが, 血球系細胞をはじめとする非ステロイド産生細胞にも存在することが明らかになってきた. 本研究では, イヌ, ネコの自然発症腫瘍11例(4例は良性, 7例は悪性)について, 細胞質分画の本酵素活性を測定し, 一部についてその特性を検討した. その結果, 良性腫瘍の2例, 悪性腫瘍の6例で活性が検出された. 2例の悪性腫瘍組織について, 細胞質分画をイオン交換クロマトグラフィーで解析したところ, 電荷の異なる複数の分画に活性が検出された. また, 同クロマトグラフィーによる分画後の総活性は, 分画前の約190%, あるいは, 700%と著しく高かった. したがって, 腫瘍組織の細胞質には電荷の異なった複数の20α-HSD分子が存在し, それらは細胞内では活性抑制物質と共存し不活性型として存在している可能性が示された. 以上より, 複数の分子種の20α-HSDが自然発症腫瘍組織の細胞質分画に高頻度に存在していることが明らかになった.
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