Journal of Veterinary Medical Science
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自然発症てんかんラット(SER)およびその親世代変異ラットにおける聴性脳幹反応(ABR)
久世 博乾 俊秀浅野 裕三掘 正樹岡庭 梓芹川 忠夫山田 淳三
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1991 年 53 巻 4 号 p. 629-636

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抄録
Tremorラット(tm/tm), zitterラット(zi/zi)およびその二重突然変異体ラットである自然発症てんかんラット(zi/zi, tm/tm; SER)を用いて, 生後2週齢から13週齢まで経時的に聴性脳幹反応を記録し, その発達を調べた. Tremorラットでは, 2週齢で2ないし3個の波を認め, 対照として用いたKyo: Wistarラットと同様の波形を示したが, その後, 発育に伴う波の発達は観察されず, 潜時の延長および電位の低下が認められた. Zitterラット, SERおよび同腹非 SER (zi/zi, tm/+あるいはzi/zi, +/+; SER-N)では, 2週齢から13週齢にかけてI波のみを認めたが, 潜時は遅れ, それに続く波は不明瞭で, 成長に伴う変化はみられなかった. 蝸電図では, SERの蝸牛神経複合活動電位でN1潜時の延長が認められた. 病理組織検査では, SERおよびtremorラットにおいて鍋牛神経核ならびに脳幹の空胞形成を認めたものの, コルチ器および蝸牛神経には著変は認められなかった. 以上の結果から, SERおよびその親世代の突然変異ラットで難聴が確認され, その原因として内耳, 蝸牛神経および脳幹の障害が推測された.
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© 社団法人 日本獣医学会
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