抄録
ホルマリン固定, パラフィン包埋された組織標本において, ABC法およびIGS法を用いて大腸菌のO2抗原の同定を行った. 大腸菌(血清型O2)に感染した心臓, 肝臓, 脾臓の組織標本において, 一次血清としてO2抗血清を使用し, ABC法およびIGS法で免疫組織化学染色を行い, 病変部において細菌は陽性に染まった. 他のO抗原に対する抗血清を使用して同様に染色したが, 陰性であった. 以上の結果から, パラフィン標本においても, ABC法およびIGS法によって大腸菌のO2抗原の同定が可能であることが示された.