実験には, 雄の成熟モルモット(体重350~750g) 5匹を使用し, 視覚誘発電位(VEP)測定を行った. VEPは慢性埋め込み電極を使用して記録し, 光刺激は両眼, 左眼, 右眼, 両眼遮蔽の順に行った. この反応波を140回加算平均してVEP波形を求めた. その結果, 片眼刺激において, 刺激した眼と同側の大脳半球から導出されたVEPは反対側から導出されたVEPとは著しく異なった. すなわち, ピークN140とP200は消失し, また, ピークN75とP100のピーク潜時は, 両眼刺激に比べて延長し, ピーク間振幅N40-P55は減少し, 左右の半球間で有意差が認められた. 一方, 刺激した眼と対側の半球から導出されたVEP波形は, 両眼刺激によって得られたVEPに類似していた. このように硬膜上からの導出では, 片眼刺激によるVEPは刺激側と反対側との間に, 明らかな差異が認められた.