抄録
多くの哺乳動物の長骨の骨髄腔には, 通常, 出生時に骨髄が存在する. 本研究は, 出生時および出生後の子豚の骨髄腔を埋める骨組織の存続について報告するものである. 子豚の長骨の骨髄腔は海綿骨によってほとんど占められていた. 骨髄腔内に存続する海綿骨, すなわち骨髄骨は若い個体ほど顕著で, 年齢の推移とともにそれは消失していった. 90日齢までには骨髄骨はほぼ消失し, その結果, 骨髄腔領域が増大した. 骨髄骨が消失していく過程で, 破骨細胞の大きさおよび数が有意に(P<0.05)増加するのが認められた. 短骨および偏平骨においても骨髄骨の骨小柱は年齢とともに薄くなった. 肝臓および脾臓における髄外造血は30日齢まで活発であった. 骨髄骨の存続によって骨髄腔容積が減少しているため, 骨髄での造血が貧弱となり, その結果代償性髄外造血が惹起されたのではないかと推察された. 以上のことから, 骨髄骨の存続はいわゆる子豚の貧血の病理発生を考える上で興味深い所見であると思われた.