抄録
ウマの運動に伴う骨格筋障害および溶血の発現と膜リン脂質過酸化反応との関連を明らかにするため, 運動負荷前後の中臀筋生検試料および赤血球について, リン脂質各分画の過酸化物, 遊離マロンジアルデヒド(MDA)および蛋白結合MDAを定量し, その変動を観察した. 中臀筋試料中のフォスファチジルエタノールアミン(PE)過酸化物は運動24時間後に増加した. また, 運動後の中臀筋では蛋白結合MDAが増加した. 一方, 赤血球では運動24時間後にPE過酸化物が特異的かつ有意な減少を示した. また, 蛋白結合MDAは運動5分後に有意に増加し, 運動24時間後には前値レベルまで低下した. これらのことから, PEはその他のリン脂質分子種と比較して過酸化反応に対する感受性が高いことが明らかになった. さらに, 運動後に認められた蛋白結合MDAの蓄積はウマの運動に伴う骨格筋障害および溶血の発現に関与しているものと考えられた.