Journal of Veterinary Medical Science
Online ISSN : 1347-7439
Print ISSN : 0916-7250
ISSN-L : 0916-7250
妊娠犬におけるリラキシンの分泌母地
筒井 敏彦Stewart R. Dennis
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 53 巻 6 号 p. 1025-1029

詳細
抄録

犬のリラキシン分泌母地を明らかにするため, ビーグル12頭, 雑犬23頭を妊娠させ, (1)無処置対照群, (2)妊娠45~50日に卵巣摘出群, (3)妊娠35, 40日, 分娩後3日に子宮摘出群, (4)妊娠21~49日卵巣と子宮および胎盤組織採取群, (5)妊娠21~60日に卵巣静脈, 子宮静脈, 胎子心臓血, 羊水, 尿水採取群の5群に区分し, 各群で採取した血液および各組織中のリラキシンを測定した. その結果, 末梢血中のリラキシンは妊娠20日ではじめて検出され, 35日で最高に達し, 分娩までこの値を維持した後急激に減少した. また, 子宮摘出後は2~3日でリラキシンは末梢血中に検出できなくなった. 組織中のリラキシンは黄体, 子宮では低値で, 胎盤では高値を示した. これらのことから, 妊娠犬のリラキシンの分泌母地は胎盤であることが明らかとなった.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top