抄録
1990年1月に神奈川県茅ケ崎市の一般家庭において飼育されていたネコから分離したオーエスキー病ウイルスの遺伝子型を検討するためHerrmannおよびNishimoriによる遺伝子型別を行ったところBam H1によるNishimoriのtype II型の第Iグループに属するものであり, 1989年12月に同県の川崎市でイヌから分離されたウイルス(type II型の第IIグループ)とは異なり1981年にブタから分離されたウイルス(第Iグループ)と一致していた. Bst E IIの切断パターンはいずれもtype Iのv1型を呈していたが, 今回分離された2株の間にも若干の差異が認められた. このことから神奈川県において起きたイヌとネコの2件の発生は異なった感染源によることが明らかとなった.