抄録
慢性腎障害牛7例についてMiroangiographyと病組織所見との関連性を検討した. 著しい動脈壁の肥厚や管腔の狭窄・間質における炎症や腫瘍の形成など病理学的に重度な所見を示した腎孟腎炎例においては, Microangiographyにより皮質から髄質までの後糸球体尿細管周囲血管叢の柵状の消失や小葉間動脈の蛇行・先細りまたは行止まりが認められた. また, 直動脈や毛細血管の像影増加および広範な皮質の像影不良領域も描出された. 病理組織学的に中等度腎孟腎炎と軽度間質性腎炎を示した症例では, Microan-giographyによって腎臓内血管系の局所的な変化が描出され, その変化は病理組織学的な障害の程度に一致していた.