Journal of Veterinary Medical Science
Online ISSN : 1347-7439
Print ISSN : 0916-7250
ISSN-L : 0916-7250
ネコ白血球上の多型的抗原に対するモノクローナル抗体(短報)
原 康江島 博康石田 卓夫青木 重人多川 政弘本好 茂一清水 眞澄七戸 和博
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 54 巻 1 号 p. 181-184

詳細
抄録
ネコ白血球膜上の抗原(F2抗原)に対するモノクローナル抗体を作製した. F2抗原は分子量48,000のタンパクと考えられ, ネコの白血球膜表面に発現しているが, 赤血球, 血小板には発現されていなかった. また, ヒト, イヌ, ウシ, ブタ, ウサギ, およびモルモットのリンパ球には交叉する抗原は認められなかった. 74頭のネコにおけるスクリーニングでは, 61頭がF2(+)型, 13頭がF2(-)型に分類され, 家系調査から遺伝性抗原と考えられた. マイトージェン刺激リンパ球では, F2抗原の発現は経時的に減少する傾向が認められた. これらの結果から, F2抗原はヒト及び他の動物で認められるクラスI抗原に類似した抗原であることが示唆された.
著者関連情報
© 社団法人 日本獣医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top