Journal of Veterinary Medical Science
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トキソプラズマ溶解抗原(TLA)で誘導されるマウス脾臓内の細胞障害性細胞の性質
宮原 和郎松本 徹戸瀬 信一櫻井 治久五十嵐 郁男齋藤 篤志広瀬 恒夫鈴木 直義
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1992 年 54 巻 1 号 p. 87-93

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抄録

TLAで感作されたBALB/cマウス脾臓細胞をTLA或いはrecombinant human interleukin-2(IL-2)添加培養すると, NK感受性標的細胞(YAC-1, RL♂-1)およびNK非感受性標的細胞(P-815)に対する強い細胞障害性が認められた. この細胞障害性は培養液に添加するTLA濃度の上昇に伴って増強した. TLA感作マウス脾臓細胞をさらにTLA添加培養して得られた細胞をエフェクター細胞として, 抗asialo GM1血清あるいは抗Thy-1血清と神体で処理すると, エフェクター細胞の障害性は抑制された. しかし, 抗Lyt-2.2抗体と補体で処理しても細胞障害は抑制されなかった. さらにTLAで感作されたマウスの脾臓細胞を抗asialo GM1血清と抗Thy-1血清或いはその両方と補体で処理するとエフェクター細胞の細胞障害性は抑制された. これらの結果から, in vivoおよびin vitroの両方でTLA感作ざれた脾臓細胞はasialo GM1陽性とThy-1陽性の細胞であり, 誘導された細胞障害性細胞の主体はIL-2で誘導されるLAK細胞に類似した細胞であることが示唆された.

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