1992 年 54 巻 2 号 p. 379-381
アデニン化合物をクロロアセトアルデヒドで蛍光誘導体(1, N6 -etheno化合物)とした後,高速液体クロマトグラフィーで分離したものを蛍光で測定する方法を検討し, 犬赤血球アデニン化合物測定に応用した. 本法で犬赤血球内ATP, ADP, AMPは, それぞれ506±79, 91±17, 51±2nmol/ml cells(1.38±0.22, 0.25±0.05, 0.14±0.05nmol/mgHb, n=5)であった. また, アデノシンおよびアデニンは検出限界の8.7nmol/ml cells以下であった. ATP産生系基質あるいは解糖阻害剤存在下での, 赤血球内ATP, ADP, AMP濃度の増減が, 本法で感度よく追跡できた.