Journal of Veterinary Medical Science
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脳障害のモルモットにおける視覚誘発電位に関する研究
竹内 崇鈴木 實七條 喜一郎磯部 玲子斎藤 俊之梅村 孝司島田 章則
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1992 年 54 巻 5 号 p. 813-820

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抄録
成熟雄のモルモット10匹を供試し, 後頭葉切除群及びHexachlorophene投与群におけるVEPの変動について検索した. 後頭葉切除群では, P10, N20, P55, N75, N140及びP200の各ピークがしばしば消失し, N40の振幅は術前のVEPに比べ, 約1/2に減少した. Hexachlorophene投与群では, N20, P30, P55, N75及びP100のピーク潜時は投与開始後7日目以降にわずかに延長するのに対し, N40の潜時は全投与期間を通じてほとんど変化しなかった. また, 振幅はピークによって異なる変動を示した. 組織検索の結果, 大脳, 小脳及び脳幹の白質に広範な海綿状変性が認められた. 上述したように, 重度の脳障害により, 光刺激に対する反応は減弱したが, 反応の残存は認められた.
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