Journal of Veterinary Medical Science
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乳房炎罹患牛から分離した血清中のコングルチニン, マンナン結合性蛋白質, 血清アミロイドP成分の定量
秋山 和夫杉井 俊二廣田 好和
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1992 年 54 巻 5 号 p. 977-981

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抄録

牛血清中のコングルチニン(Kg), マンナン結合性蛋白質(MBP), 血清アミロイドP成分(SAP)の感染防御における役割を検討する目的で, 乳房炎罹患牛から分離した血清中のKg, MBP, SAP濃度をサンドイッチ酵素抗体法で測定した. 健常牛と乳房炎罹患牛を比較すると, 乳房炎罹患牛から分離した血清中のKg濃度は著しく低く, 治癒に伴いKg濃度の増加が認められた. MBP濃度の変化に関してもKg濃度の変化と同様な傾向が認められたが, Kg濃度の変化ほど顕著ではなかった. 一方, SAP濃度に関しては, 感染の有無に関係なくほぼ一定量であることが判った. 以上の成績から, 血清中のKg濃度の推移(変化)は牛乳房炎治療の血清学的指標の一つになりうる可能性が示唆された.

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