Journal of Veterinary Medical Science
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新生豚の血清アミラーゼ総活性およびそのアイソエンザイム分画と成長ならびにデキストラン鉄投与の関係
阿久沢 正夫森園 充須藤 京子安田 宣紘岡本 嘉六出口 栄三郎
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1992 年 54 巻 6 号 p. 1151-1155

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抄録
新生豚の血清アミラーゼ活性を色素産生法(ブルースターチ法)により測定し, アイソエンザイム分画をセルローズアセテート膜電気泳動法により検索して, 成豚の値と比較した. 新生豚の血清アミラーゼ活性は成豚の約1/2で, 加齢とともに増加した. 血清アミラーゼのアイソエンザイムは陰極から4分画を示し, 各分画の組合せにより5群に分類された. 分画および各群の出現頻度に, 子豚と成豚間で有意差は認められなかった. 新生豚にデキストラン鉄投与後, 赤血球数, 血色素量, 血球容積とともに血清アミラーゼ活性は増加した. 血色素量と血球容積の増加は1回投与よりも2回投与群で著しかったが, 血清アミラーゼ活性は両群とも同程度の増加であった. 血清アミラーゼ活性の増加は, 鉄剤投与によってアミラーゼ産生臓器の発達が促進されることを示していると思われる. 血清アミラーゼ活性は新生豚の順調な発育を示す指標になるものと考えられた.
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