Journal of Veterinary Medical Science
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ウシ白血球粘着異常症(BLAD)におけるCD18変異遺伝子の検出
田島 誉士入江 充洋桐沢 力雄萩原 克郎黒沢 隆高橋 清志
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1993 年 55 巻 1 号 p. 145-146

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抄録
肺炎および重度の歯肉炎を呈した5および9か月齢の2頭の子牛が, ウシ白血球粘着異常症(BLAD)と診断された. これらのBLAD子牛とそれぞれの母牛(キャリアー牛)の白血球粘着分子CD18をコードする遺伝子をPCR法および制限酵素処理法により検索した. BLAD牛およびキャリアー牛のCD18をコードするmRNAと健康牛のmRNAのそれぞれ一部をPCR法により増幅し比較したところ, ヒト症例において報告されているようなmRNAの大きさの違いは認められなかった. しかし, ヒト症例において報告されている点突然変異部を含む領域をPCR法で増幅し, TaqIにより制限酵素処理したところ, 切断パターンの明らかな違いが確認された. したがって, ヒト症例の一家系において報告されている点突然変異が, BLADにおいても生じていることが示唆された. 本法は, 変異した遺伝子を持つキャリアー牛の摘発にも有効であると考えられた.
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