抄録
1989年1月から1991年2月の間に, 鳥取市内の鮮魚小売店7力所から購入した淡水魚3種類(ゲンゴロウブナ, ドジョウおよびワカサギ)計327匹についてClinostomum complanatumメタセルカリアの寄生状況を調べた. その結果, ゲンゴロウブナ78匹中16匹(20.5%)に本虫のメタセルカリアの寄生を認めた. 陽性魚1匹あたりのメタセルカリア寄生数は1-30隻(平均4.3隻)であった. 今後, 公衆衛生上の見地から淡水魚の生食には本虫に対する注意を払う心要があると思われる.