抄録
熱とナトリウムによる二重指示薬希釈法を原理とした肺血管外水分量測定装置の循環動態を変化させた場合の精度について評価を行い, さらにエンドトキシンショック時の肺血管外水分量の経時的変化についてイヌを用いて検討した, イソプロテレノールまたはプロプラノロールを投与して循環動態に変化を加えた場合においても測定値には影響が認められず, この測定法の精度が高いことが確認できた. また, エンドトキシンショック時の肺血管外水分量測定値は, エンドトキシン投与により増加傾向を認め, エンドトキシン投与後360分値においてエンドトキシン投与前値に対して有意な(P<0.05)増加を認めた. エンドトキシンショック時には, 初期より漸次肺水腫が進行していることが確かめられた.