抄録
北海道に生息する13頭のエゾシカ(Cervus nippon yesoensis)のルーメン内の繊毛虫構成を調査した結果, Entodiniun属の2種, E. simplex, E. dubardiが同定され, すべての個体は1種類の繊毛虫しか保有していなかった. エゾシカにみられたE. simplexの虫体は平均的に小さく, また, 計測値にばらつきが大きかったために, ホルスタインのE. shimplex, E. nanellum, E. exiguumと虫体の大きさと形態を比較した. 繊毛虫の密度の範囲は大きく, 3.1-5882.4×103/mlであり, 平均は567.4×103/mlであった.