Journal of Veterinary Medical Science
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逆干渉法による豚コレラウイルスおよびその抗体の検出
土屋 佳紀内村 昭彦田近 英樹坂本 研一古谷 隆徳佐藤 邦彦難波 功一三浦 康男
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1993 年 55 巻 2 号 p. 233-236

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抄録

豚コレラウイルス(HCV)およびその抗体を定量する新しい方法を開発した. まず, HCV感染によるインターフェロン(IFN)抑制効果についての確認を行った. HCVに感染しているCPK細胞は, IFNインデューサーを感作してもIFNを生成しなかった. しかし細胞のIFNに対する感受性は抑制していなかった. これらの結果をもとに, HCVのIFN抑制効果に基づいた新しいHCV検出法を確立し, 逆干渉法と命名した. その原理は, CPK細胞におけるGPE-株のVesicular stomatitis virus(VSV)に対する干渉作用をHCVが阻害する現象をもとにしている. 本法では, HCVの感染力価はVSVによる細胞変成効果の出現に基づいて評価される. 本法は, HCVの感染力価および抗体価の測定において, END法とほぼ同等の感度を示した. 迅速さと客観性では, END法よりも優れていた.

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