Journal of Veterinary Medical Science
Online ISSN : 1347-7439
Print ISSN : 0916-7250
ISSN-L : 0916-7250
フェリチン結合タンパク質としてのウマフィブリノーゲン
折野 宏一山本 晋二渡辺 清隆
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 55 巻 5 号 p. 785-787

詳細
抄録

酵素免疫測定法により測定したウマ血漿および血清フェリチン濃度は血漿の方が血清より低かった. しかしながら, 血漿と血清を75℃で15分間加熱処理することにより, 両者のフェリチン濃度は同レベルに上昇した. これらの結果はウマ血漿にはフェリチンの免疫測定を阻害する特有のフェリチン結合タンパク質が存在することを示唆する. ウマ血清フェリチン濃度は血清へのウマフィブリノーゲン添加により減少した. フィブリノーゲンはウマ脾臓フェリチンの免疫測定をも阻害し, またこれと結合した. これらの結果から, ウマフィブリノーゲンはフェリチンの免疫測定を阻害するフェリチン結合タンパク質の一つであると結論された.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top