抄録
イヌ血清インターロイキン(IL)-1, IL-6, および腫瘍壊死因子(TNF)様活性をそれぞれ, ヒトメラノーマA375S1, IL-6依存性マウスハイブリドーマMH60.BSF2, およびWEHI 164マウス肉腫subclone 28-4細胞を用いた生物学的測定法により検討した. 血清IL-1様活性はリポポリサッカライドを静脈内投与してエンドトキシンショックを引き起こしたイヌで, 血清IL-6様活性および血清TNF様活性はエンドトキシンシヨック下およびテレピン油を筋肉内に投与して局所炎症を引き起こしたイヌで検出された. エンドトキシンショック下の血清中のIL-1様活性は, メディウムあるいは処置前血清による希釈で低下したが, 処置前血清では高希釈倍率においてIL-1様活性が保持される傾向にあった. TNF様活性はいずれの希釈においても同様に低下した. これに対し, IL-6様活性は低希釈倍率では抑制された. IL-6様活性の抑制を最小限にするためには, エンドトキシンショック下の血清を180倍, 局所炎症下の血清を60倍にメディウムで希釈する必要があった. 血清IL-6様活性は, 抗マウスIL-6レセプター抗体で中和された. 血清TNF様活性は, 抗マウスTNFαウサギ血清で中和された. しかしながら, 血清IL-1様活性は, 抗マウスおよび抗ヒトIL-1ウサギ血清では中和されなかった.