Journal of Veterinary Medical Science
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実験的に移植したイヌ可移植性性器肉腫の自然退縮におけるリンパ球の役割
水野 信哉藤永 徹萩尾 光美
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1994 年 56 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

イヌ可移植性性器肉腫(CTVS)退縮犬由来の感作末梢血リンパ球(PBL)は無処置犬由来の未感作PBLと比較するとCTVS細胞に対し, 高い細胞傷害活性を示した.感作犬由来PBLが示した細胞傷害性は抗主要組織適合性遺伝子座(MHC)クラスn抗原マウスモノクローナル抗体および抗イヌ胸腺細胞家兎血清の添加によって有意に阻害された. 未感作あるいは感作PBLから誘導したリンホカイン活性化キラー細胞は感作PBL と同程度の細胞傷害活性を示した. これらのキラー活性もまた抗イヌ胸腺細胞家兎血清の添加によって抑制された. 免疫組織化学的検査の結果, MHCクラスn抗原はCTVS 細胞, 胸腺細胞抗原は腫蕩組織内浸潤リンパ球の膜表面上に表現されていることが明らかとなった. 以上の成績から, 腫蕩退行に関与するリンパ球はT細胞と考えられた. これらの細胞は腫優退縮時にCTVS細胞膜表面に発現したMHCクラスn抗原を認識している可能性が示された.

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