Journal of Veterinary Medical Science
Online ISSN : 1347-7439
Print ISSN : 0916-7250
ISSN-L : 0916-7250
実験的大脳皮質壊死症の緬羊および牛における経時的な生化学的変化ならびに病理学的所見
堀野 理恵子板庇 外茂雄平野 孝一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 56 巻 3 号 p. 481-485

詳細
抄録
実験的大脳皮質壊死症(CCN)における生化学的変化および病理学的変化を検討するため, 緬羊6頭および牛6頭にアンプロリウム(600mg/kg/day)を投与した. アンプロリウムを投与された動物は, 神経症状を呈して投与35-57日後に死亡した. アンプロリウム投与動物は全頭が病理組織学的にCCNと確認され, 死亡時の血液中および組織中の総チアミン濃度は著明に減少していた. 血液総チアミン濃度は, 投与後7日目にすでに減少が認められ, 脳波異常出現の約2週間前には死亡時と同じレベルに低下していた. 脳波異常出現の約2週間前にチアミン依存酵素である赤血球中のトランスケトラーゼ活性値は有意に低下し, そのチアミンニリン酸効果も上昇していた. 死亡後の病理組織学的変化ならびに大脳皮質の蛍光斑についても検討した.
著者関連情報
© 社団法人 日本獣医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top