1994 年 56 巻 4 号 p. 645-649
17頭の全身麻酔下のイヌを用いエンドトキシンショックに対するウリナスタチン(25,000U/kg, i.v.)およびメチルプレドニゾロン(30mg/kg, i.v.)の治療効果を循環動態, アラキドン酸カスケード関連物質および肺表面活性について比較検討した. その結果, 検討項目の変化に対する両薬剤の効果は, ほぼ類似する傾向にあったが, 循環動態の改善とアラキドン酸カスケード関連物質(6-keto-PGF1α, トロンボキサンB2およびロイコトリエンB4)の産生抑制面でメチルプレドニゾロンが優れ, 摘出肺より求めた肺表面活性に対する有効性では, ウリナスタチンが良好であった. これらのことより, エンドトキシンショックに対する治療薬としてウリナスタチンの有効性が示唆された.