Journal of Veterinary Medical Science
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ニジマス血清アミロイドP成分(SAP)の分離および生化学的性状の研究
村田 美栄小沼 操児玉 洋
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1994 年 56 巻 4 号 p. 661-665

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抄録
急性相蛋白質の中では系統発生上最も初期に出現した, ペントラキシンファミリーに属する血清アミロイドP成分(SAP)を, ニジマスの血清から分離する事を試みた. SAPのリガンドとして知られているアガロースを用いたアフィニティークロマトグラフィーによって分離した蛋白質は, 還元状態でのSDS-PAGEにてサブユニットの分子量が約32,000と計算され, 非還元では100,000以上であったため共有結合した構造をとっているものと判定した. N-末端アミノ酸配列は各動物の既知SAPと相同性を有し, 電子顕微鏡解析では五量体構造が認められた. 以上の結果からこの蛋白質をニジマスSAPとして同定した.
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