1994 年 56 巻 5 号 p. 869-872
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染性遺伝子クローンのlong terminal repeat (LTR)のU3領域から, AP-1およびAP-4推定結合部位を含む31塩基を欠損した変異ウイルスを作製し, コンカナバリンA (Con-A)で刺激した初代ネコ末梢血単核球(fPBMC)での, 増殖性および細胞傷害性を野生株と比較した. 変異ウイルスの増殖性および細胞傷害性は, 野生株とほぼ同じであり, 変異ウイルスの欠損部位は感染実験中安定であった. これらの結果から, LTRのAP-1およびAP-4推定結合部位を含む31塩基は, Con-A刺激fPBMCでの増殖に必須でないことが明らかとなった.