Journal of Veterinary Medical Science
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豚の肺炎病巣から分離した Pasteurella multocida と Actinobacillus pleuropneumoniaeに対するチルミコシンの抗菌活性
稲元 民夫菊池 克明飯島 宏明川島 康永中井 裕扇元 敬司
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1994 年 56 巻 5 号 p. 917-921

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抄録

1985年から1989年にかけて日本各地の豚の肺炎病巣部から分離された Pasteurella multocida 61株と Actinobacillus pleuropneumoniae 35株のChloretracycline (CTC), thiamphenicol (TP), tylosin (TS), acetyleisovalery-tylosin (AIV-TS), tilmicosin (TMS), mirosamycin (MRM)に対する薬剤感受性を調べた. 両菌種ともほとんどの株がCTC, TP, TMSに対し感受性を示した. P. multocida の51株(83.6%)と46株(75.4%)の発育が, それぞれ3.13μg/mlの濃度のCTCとTPで抑制された. TSはほとんどすべての株に対して低い活性を示した(MIC≧6.25μg/ml). P. multocida の58株(95.1%), 23株(37.7%), 50株(82%)がそれぞれAIV-TS, TMS, MRMに対し6.25μg/ml以上のMIC値を示した. A. pleuropneumoniae のCTCに対するMIC値は1.56μg/ml以下であった. A. pleuropneumoniae の32株(91.4%)と33株(94.3%)が, それぞれ3.13μg/mlのTPとTMSで抑制された. TS, AIV-TS, MRMはすべての A. pleuropneumoniae に対し低い抗菌活性を示した(MIC≧6.25μg/ml). P. multocida には3つの, A. pleuropneumoniae には2つの異なる耐性パターンが見られた.

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