Journal of Veterinary Medical Science
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ネコの膵島AおよびPP細胞におけるセロトニンおよび芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素とペプチドホルモンの共存
古澤 賢彦大森 保成渡辺 徹
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1994 年 56 巻 5 号 p. 911-916

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抄録

ネコの膵島細胞におけるモノアミンの合成を立証するために膵臓組織の連続もしくはミラー切片に免疫組織化学的染色を実施した. グルカゴン抗血清に対して免疫陽性反応を示した膵島A細胞の半数がセロトニン抗血清に免疫陽性反応を示した. 膵臓ポリペプヂド抗血清に対して免疫陽性反応を示したPP細胞もまたセロトニン抗血清に免疫陽性反応を示したが, PP細胞とセロトニン免疫陽性細胞の重なりは少数に止まった. 一方, ほとんどすべてのAおよびPP細胞が芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素抗血清に対して免疫陽性反応を示した. 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素はセロトニン合成酵素であることから, 膵島AおよびPP細胞はセロトニン合成能があると結論される. インスリンおよびソマトスタチン抗血清に免疫陽性反応を示した膵島BおよびD細胞はセロトニンおよび芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素抗血清に免疫陽性反応を示さなかった.

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