非侵襲的に心拍出量の測定を行う目的から, 心エコー法を用いた10種類の測定方法による測定値と熱希釈法で求めた心拍出量の測定値との相関関係を調べた. その結果, Mモード法では, 乳頭筋レベルの短軸断面を用いた回転楕円体近似法のうち, GIBSON 法が最も高い相関(r=0.84) (P<0.01)を示した. また, ドプラモードでは, 左室流出路短軸断面でトレース法を用い, 流出路内腔断面積をより正確に計測したものが高い相関(r=0.93) (p<0.01)を示した. このことから, 超音波による測定法でも, 熱希釈法と同等の心拍出量を計測することが可能であり, 臨床的には非侵襲的検査法である超音波診断装置による測定法が有利であることが確認された.