抄録
新しく開発された血小板活性化因子(PAF)拮抗薬TCV-309のエンドトキシンショック時の肺wet/dry比および肺表面活性に対する効果を中心にPAF拮抗薬CV-3988と比較検討した. TCV-309( 1 mg/kg)またはCV-3988 (10 mg/kg)投与は, エンドトキシン(3mg/kg)投与による肺wed/dry比の上昇を有意(P<0.01)に低下させ, またエンドトキシン投与により低下した肺表面活性を上昇させた. さらにTCV-309またはVC-3988投与は, エンドトキシンショックによる組織障害を軽減した. 以上のことよりTCV-309は, CV-3988と同様にエンドトキシンショック時の肺障害を抑制することが示唆された.