抄録
124例のイヌの貧血症例について, in vivo bioassay により血漿エリスロポエチン(EPO)値を測定した. 腎機能正常な貧血大81例では, 血漿EPO値とヘモグロビン濃度との間には高い負の相関性が認められた. 一方, 腎不全を有する貧血犬43例では血漿EPO値は明らかに低下していた. 中でも, 血漿EPO値が検出不能であった17例のイヌはいずれも予後不良で死の転帰をとっていた. さらに, 血漿EPOが測定可能であった残り26例のイヌについては, 血漿EPO濃度比率が血中尿素態窒素および血清クレアチニンと有意な負の相関性を有することが示された.